SEO対策関連  2018.7.6

Google Speed Updateについて。サイト表示スピードを上げる工夫、下がる原因。

Google Speed Update」が話題になっています。

このアップデートは「あまりにも遅いとSEO的に良くないよ」というものですので、標準的な表示スピードを維持できるのであれば、それほど心配する必要はありません。

しかし、サイトの表示スピードが遅いとユーザーの直帰につながりますので、自分のサイトの表示スピードが遅いなと感じている場合は、参考にして頂き、対策をしてください。

今回は「やけに」表示スピードに拘っているmixhostというサーバー会社の伊丹さんにお話を聞いてきました。

伊丹さんはかなりマニアックな人でして「サイト表示スピード」について1つ質問すると10個も20個も答えが返ってくるいい意味でうざい」人ですが、参考になるかと思います。笑

【予めご了承くださいPART1】
なお「最適なレンタルサーバーを選ぶ方法」の箇所は取材元のmixhostが全て対応しているので「広告っぽい」と感じるかもしれません。
ただそれはmixhostが表示スピードや処理回数にこだわりを持っているから対応しているだけで、その辺りだけ予めご了承ください。

【予めご了承くださいPART2】
記事は伊丹さんに取材したものを弊社が加筆修正しております。また今回の記事は多くのアフィリエイターが使っているWordpressに特化しております。


 

WordPressサイトを高速化する必要性

Googleが発言したように、表示スピードは検索順位を決定する要素の一つとして採用されています。

表示速度があまりにも遅いと、検索順位が低下する可能性があるように、SEO施策の一つとしても重要な要素です。

表示速度を高速化することにより、検索順位以外にも様々なメリットがあります。

表示速度が遅くなると発生する最大の問題は、ユーザーがサイトの表示を待ちきれず、離脱してしまうことです。

これは、直帰率に大きな影響を与えることになり、検索順位以外にサイトの売上などにも大きな影響を与えます

一般的なユーザーの47%は2秒以内にサイトが表示されることを期待しており、3秒以上時間がかかると40%以上のユーザーが離脱してしまいます。

現在のWordPressサイトの表示速度が遅い場合、表示速度を高速化するだけでも直帰率が大幅に改善する可能性があります。

また、ECサイトにおいては、わずか1秒の表示速度の低下が、コンバージョン率を7%低下させるとの調査もあり、売上と表示速度は非常に密接な関係があります。
 

WordPressサイトの表示速度が低下する原因

サイトの表示速度を改善する方法として、まずは表示速度が低下する原因を理解することから始めましょう。

一般的な原因として、いくつかご紹介していきます。

レンタルサーバーが処理しきれていない

表示速度が低下する原因として最も一般的な問題は、表示速度の遅いレンタルサーバーです。

特に低価格なレンタルサーバーは、1ユーザー辺りに割り当てられるリソースが少なく、表示速度が低下する傾向にあります。

分かりやすく言うと
1つの土地に1000人いるのか、100人いるのかという違いがあります。

例えば1つの土地に1000人も密集すると動きづらいのと同じで、処理回数や表示スピードが落ちます。

あまりにも安いサーバーは1つのサーバーの中にかなり多い契約ユーザーを入れ込みますので、遅くなります。

アクセスが多く、負荷がかかりすぎている

もう一つの原因としては、サイトの訪問者が多すぎることです。

訪問者が多いことは嬉しい事ですが、レンタルサーバーが多くの訪問者に対応できない場合、しばしば深刻な表示速度の低下が発生します。

この問題についても、高性能なレンタルサーバーを使用することで改善することが可能です。

表示スピードが遅くなってきたなと感じた場合、契約プランを1つ上に変更するなどすると解決することが多いです。

プラグインが原因の可能性もある

WordPressサイトでありがちな問題としては、大量のプラグインを、プラグインの動作を理解しないままインストールし、そのままの状態になっていることです。

一部のプラグインは表示速度に深刻な影響を与えます。

また、サーバーの負荷が高くなり、サーバー会社から何らかの制限を受ける可能性もあります。

さらに、不要なプラグインが多く入っている状態は、セキュリティ上好ましいものではありません。

一部のWordPressテーマにおいても表示速度が低下するものが存在します。

この場合、より軽量なテーマに変更することが一番の近道でしょう。
 

サイトの現在の表示速度を測定する方法

まずは現在のWebサイトの表示速度を把握することから始めましょう。

表示速度を測定するツールとして、GTmetrixやPingdomなどの有名なツールがありますが、これらのツールは測定サーバーが海外に設置されている為、日本からのアクセスとかけ離れた結果が表示される事があります。

画像などのコンテンツを最適化する上での参考としては非常に優れたツールですが、表示される秒数を知りたい場合は別の方法をご利用いただくことをおすすめします。

SONAR

一つはSONARというChromeのプラグインです。

これは、Webで使用される各種技術の標準化を行っている、W3Cという団体が制定した基準でWebサイトの表示速度を測定できるプラグインです。

ご自身の環境においての表示速度を測定できる為、国内からのアクセスにおいて、最も現実に近い数値で確認することができます。

PageSpeed Insights

もう一つの方法としては、有名なGoogleのPageSpeed Insightsが存在します。

こちらは、サーバーの応答速度を細かく測定することはできませんが、明らかに遅い場合は警告を表示してくれます。

PageSpeed Insightsは比較的利用者に近いサーバーから測定されるため、日本国内からのアクセスと比較しても大きな差がない事が多いです。

これらのツールを使用して、まずは現在の表示速度を把握し、改善できるポイントは一つずつ改善していく方法がおすすめです。
 

WordPressサイトに最適なレンタルサーバーを選ぶ方法

表示速度を高速化するためには、適切なレンタルサーバーを選択することが最も重要な要素です。

どれだけWordPressサイトのチューニングを行っても、遅いレンタルサーバーを使用している場合は、多少の改善はあるかもしれませんが、大幅に改善することはありません。

WordPressに最適なレンタルサーバーを選ぶ為のポイントを、ご紹介させていただきます。

高品質なプランを選択する

一般的にレンタルサーバーの品質は、価格に比例することが多くあります。

特に安さだけを売りにしたサービスは、表示速度の高速化という観点から見ると、最適な選択肢ではないことが多いです。

低価格なサービスを提供するためには、1ユーザー辺りが使えるリソースはどうしても少なくなってしまうため、表示速度を向上させることは難しい問題です。

WordPressサイトを快適に動作させるためには、最低でも月額1,000円前後のレンタルサーバーを使用することがベストな場合は多くあります。(原価的に見て、これくらいの価格帯だとしっかりと対応することが可能です。)

お試し期間がある場合は、まずはお試し期間で色々試してから契約するかどうかを検討しましょう。

SSLへの対応を確認する

2018年7月からChromeでの警告表示の強化からも分かるように、WordPressサイトのSSL化はもはや必須の項目の一つです。

無料のSSL証明書が利用できるということは、必須要件でしょう。

 

HTTP/2、QUICへの対応を確認する

WebサイトをSSL化すると、困ったことに表示速度は低下します。

しかしながら、HTTP/2QUICと呼ばれる技術に対応したレンタルサーバーを使用することで、SSL化と同時に表示速度をさらに高速化させることができます。

特にQUICはモバイル環境など、通信環境が悪い場合にも効果的ですので、可能であればQUICに対応したレンタルサーバーを選択するのがベストです。

PHP7への対応を確認する

PHP7はPHP5.6に比べて2倍以上高速に動作します。

レンタルサーバーがPHP7に対応していることは必須項目の一つです。

WordPressのキャッシュ機能について確認する

WordPressに特化したレンタルサーバーでは、WordPress専用のキャッシュ機能が利用できる場合があります。

また、LiteSpeed Cacheなど、Webサーバーと連携動作する高性能なキャッシュプラグインを提供している場合もあります。

キャッシュはWordPressの高速化において重要な要素ですので、是非確認しておきましょう。

SSDを採用したサーバーであればベスト

WordPressはデータベースの読み書きなどサーバーへの負荷が大きいプログラムです。

SSDを採用した高速なサーバーであればよりベストです。
 

WordPressを高速化する方法

WordPressサイトを高速化するためには、WordPressを高速化させる様々なポイントがあります。

ここでは、WordPressを簡単に高速化させる方法についてご紹介させていただきます。

なお、下記でご紹介する最適化の手法は、Webサイトの表示やデータに影響を与える場合がありますので、必ず実行する前にバックアップを取得するようにすることをおすすめします。

キャッシュプラグインを導入する

WordPressサイトの高速化を実施する上で、最もシンプルかつ効果的な方法は、キャッシュプラグインを導入することです。

これは、ページに1度アクセスされた時、そのページを一時的に保存しておいて、次にアクセスがあったときにキャッシュを呼び出す事により、読み込み速度を大幅に向上させるものです。

キャッシュプラグインは種類が多すぎてどれを使うか迷うかもしれませんので、ここではいくつかおすすめのキャッシュプラグインを紹介します。

LiteSpeed Cache

mixhostなどのLiteSpeed Webサーバーを導入したレンタルサーバーをご利用中の場合は、LiteSpeed Cacheが一番おすすめです。

LiteSpeed CacheはWebサーバーと連携して動作する為、どのキャッシュプラグインよりも高速に動作します。

表示速度を最優先する場合、LiteSpeed Cacheが使えるレンタルサーバーで、このプラグインを使用することがベストでしょう。

WP Fastest Cache

LiteSpeed Cacheが利用できない場合、次におすすめなのがWP Fastest Cacheです。

このプラグインは日本語にも対応している上、特徴的なのがプリロードに対応していることです。

プリロードとは、アクセスがなくても事前にページをキャッシュする機能の事で、この機能があることにより初回アクセス時から表示速度が高速化されます。

設定がシンプルで分かりやすいので、初心者の方にもおすすめです。

WP Super Cache

WordPressの開発元であるAutomatic社が開発したキャッシュプラグインで、古くから存在しているプラグインです。

シンプルな動作と簡単な設定で利用でき、キャッシュを呼び出す際の動作が非常に高速というメリットもあり、おすすめでのプラグインです。

画像の最適化を行う

画像の最適化もWordPressを高速化する上で非常に重要な要素です。

何も意識せずにWordPressに画像を追加している場合、アクセスの度に容量の大きな画像が呼び出され、表示速度に大きな影響を与えている場合があります。

画像を圧縮する方法で最も簡単なのは、画像を最適化するプラグインを導入することです。

プラグインを導入することにより、画像のアップロード時に何も意識しなくても画像が最適化され、またすでにアップロードされた画像も最適化することができます。

有名なプラグインとしては、EWWW Image OptimizerShortPixel Image Optimizerがあります。

HTML/CSS/JSの最適化を行う

HTMLやCSS、JSの無駄な空白や改行、コメントを削除し、容量を削減することは、昔ながらの方法ではありますが有効な方法です。

通常コードを書く時は、人間が読みやすいように改行や空白、コメントなどを挿入しますが、コンピュータが認識するためだけならば、このような情報は全て不要です。

WordPressサイトで最適化を実施する場合、最もおすすめの方法はプラグインを使用する事です。
有名なものとしてはAutoptimizeFast Velocity Minifyがあります。
 

表示スピードが遅くなる可能性があるプラグイン

多くのプラグインをインストールするとサイトが遅くなるという説がありますが、これは必ずしも正しいとは言えません。

正確には、一部のプラグインはサーバーに高い負荷を発生させ、表示速度を低下させるので、そのような低速なプラグインをなるべく排除することです。

ここでは表示速度を低下させるプラグインはどのようなものがあるかご紹介しますので、必要性が無い、あるいは低い場合は、削除してみることをおすすめします。

SEO関連のプラグイン

All in One SEO PackYoast SEOのような、SEO対策のプラグインは表示速度を低下させる場合が多くあることで有名です。

これは、コードをサイトに追加し、複雑な処理をアクセスの度に実行することが表示速度を低下させる一因となっています。

最近はWordPressテーマなどにSEO機能が搭載されている場合もありますので、SEOプラグインを使用しなくても対応できる場合は、なるべく使用しないようにしていきましょう。

セキュリティに関するプラグイン

Wordfenceのようなセキュリティプラグインも、表示速度を低下させる場合があります。

しかしこの場合、WordPressサイトにとってセキュリティは非常に重要なポイントです。

安易に無効化するのではなく、何らかの代替策を検討する必要があるかもしれません。

Eコマース関連のプラグイン

WooCommerceなどのEコマースプラグインも、表示速度を低下させる場合があります。

ただし、こちらのプラグインについてもWebサイトにおいて無くてはならない機能を提供している場合も多いと思いますので、必ずしも削除することが正しい選択ではないかもしれません。

人気ランキング関連のプラグイン

WordPress Popular Postsなどの、人気記事のランキングを行うプラグインも、表示速度を低下させる場合があります。

このようなプラグインは、アクセスの度に記事ごとのアクセス数をデータベースに記録するため、アクセスの度にデータベースへのアクセスが発生し、サーバーの負荷が増大します。

可能であれば使用しない方が表示速度においてはメリットがあるプラグインです。

アクセス解析のプラグイン

Slimstat Analyticsのような、独自でアクセス解析機能を提供するプラグインも、表示速度を低下させる場合があります(Google AnalyticsやJetpackのアクセス解析などは影響がありません)

理由としては上記同様に、アクセスの度にデータベースへの記録が発生するため、サーバーの負荷が増大しやすく、データベースの容量を大きく消費する場合があります。

 

その他の表示スピードを上げる工夫

未使用のプラグインとテーマを削除する

不要なプラグインやテーマを削除することにより、余計なスペースを消費することがなくなり、セキュリティリスクを軽減することが可能です。

あまり難しい操作でもないので、不要なプラグインやテーマは削除するようにしましょう。

不要なリビジョンを削除する

WordPressサイトに記事を作成すると、古いバージョンの記事をリビジョンとしてどんどん蓄積されていきます。

リビジョンは古い記事を復元する際に使用できますが、通常はほとんど記事のコピーですので、使用する機会はあまり多くないはずです。

WP-Optimizeを使用することにより、不要なリビジョンを削除し、データベースの容量を縮小することで、応答速度の向上が期待できます。

データベースの最適化

長期間WordPressサイトを運用していると、データベースが無駄に肥大化し、速度が低下することがあります。

そのような時は、WP-DBManagerプラグインを使用してデータベースを最適化することができます。

また、データベースの不要なデータを削除するクリーンアップも実施しましょう。

WP-Optimizeプラグインを使用することで、最小限の労力でデータベースを最適化することができます。

メディアライブラリのクリーンアップ

多くの記事を投稿しているWordPressサイトでは、同時に未使用のメディアが大量に眠っている場合があります。

これらのファイルは無駄な容量を消費するだけでなく、サーバーの負荷を増大させ、表示速度低下の一因となる場合があります。

しかし、これらのファイルを手動で削除することは、数が非常に多いため困難です。

Media Cleanerプラグインを使用することにより、不要なメディアを削除することができます。

PHPのバージョンをPHP7に変更する

先ほども説明しましたが、PHPバージョンを変更することにより、表示速度を高速化できる場合があります。

例えばPHP7は、PHP5.6の2倍以上高速と言われています。

プラグインやテーマなどの問題がなく、PHP7を利用できる場合は、PHP7を利用するようにしましょう。

なお、PHP7に対応していないプラグインやテーマは、長期間に渡りメンテナンスが行われていない可能性が高いため、削除するか別のものに変更することをおすすめします。

WordPress本体、テーマ、プラグインを常に最新の状態にする

WordPressの開発者は、より速く動作するように最適化されるよう改良を進めています。

最新のバージョンを常に使用することにより、より快適な環境を手に入れ、さらにセキュリティリスクから保護することも可能になります。
 

まとめ

この記事はGoogle Speed Updateを受けて、迅速にアップしたものでございます。

まだまだ色んな手法があり、言及が足りていない箇所も多々ありますが、まずは、あまりにも遅いとSEOによくない影響がでますので、取り急ぎ思いつく限りの対策や原因をご紹介させて頂きました。

足りていない部分、誰もが知っているノウハウなどは整理をして、後日追加をしていきたいと思います。